雑記 役員言行録のこと

 久しく記事の更新が無い。この隙をついてまた益体もないことを書き散らす。今回は役員言行録のことでも書いてみようかと思う。

 役員言行録と言うのは会計が作成する諸雑記録の一つであり、部長以下諸役員、並びに運営及び活動各部局の責任者の常務の執行及び裁可決定等を記録したものである。否、であった。

 その本来の目的はクラブの運営及び活動についての先例を集積し、後々の判断の基準とすること、並びに役員等の業務上の矛盾の発生の予防、及び役員会の職務執行上の統一性を保持するための参考資料とすることであった。会計が総務担当者としてクラブ内の諸般調整を行い、また、規則等を起草するに当たり重要な役割を果たす記録である。

 

 ところで、役員言行録はもともと単一の記録ではなく、『役員会議事録』『部会議事録』『部長発令集』『部長発令集解』『副部長業務録』『金銭出納帖附記』『渉外叢書』『諸部門活動報告』『監査査問前例集』『諸役員言行手控え』『人事考課備考』『勤怠管理記録』『総務会計備忘録』『対部会答申』『クラブ事業白書』『部員間問題対応報告』『防災報告』『制度規則準備答申覚書』『バイシクル四季報』その他数多の記録、議事録、備忘録などの抄出を纏めたものであった。

 

 つまり極めてまじめで事務的な記録であった。

 

 然しながら、クラブ発足より暫くの時が経つと、この記録の重要性はだいぶ低くなった。即ち、制度規則がある程度確立し、役員の異動も殆どなくなったことにより、記録すべき新たな先例が著しく減少したのである。

 さて、当時の会計は記録魔であった。記録する事柄が無くなったくらいのことでは記録をやめない程度の記録魔であった。

 とはいえ、記録することがなければ記録は出来ない。そこで会計は、役員言行録に採録する事項を増やした。

 まず、部員の詩歌俳諧散文等を纏めた『私家詩歌詞華誌』『賛詩語録』等の記録が移管された。続いて、部員の活動の内秀逸なものを纏めた『バイシクル名人伝』『バイシクル職人伝』『バイシクル碩学伝』などを併合した。事務的事項だけでなく活動の記録も始めたのである。

 

 さらに会計は記録の魔手を部員の属人的な事柄にまで伸ばし始めた。役員言行録に『バイシクル部員録』『バイシクル変人伝』『部員警句集』『部員迷言集』『部員迷走集』『役員列伝』『クラブ奇譚』『クラブ怪譚』『バイシクル笑語録』『バイシクル泣語録』『禁言緘語録』などの項が設けられ、その比重を増していった。今日に至り、単に『役員言行録』と言った場合は、これら属人的記録類を指す。

 

 このように、所期の目的をほとんど失った『役員言行録』ではあるが、これはこれで我がクラブの日常の記録であり、全くの無意味ということもなかろう。

 

 『役員言行録』は初代会計が退任したためその記録はほぼ停止しているが、現在は第二代会計である寒蘭亭橄欖君が『役員言行録vol.2』を記録してくれている、筈。

 部員諸君においては、後世に記録が残ることを念頭に置いた上で面白おかしく部活に臨まれるよう。

 

十薬庵