雑記

 

秋薫り 夏過けらし 薄縁の 暮らしに擦れし 日々とひとしき

 

坂之上拾い絵

 

 

 

 膠も無い肌寒い秋に其の匂いは一週間を色付かせた。

例年の道理に気圧の変異が大気を運び二三日の颶風が過ぎれば、

其れ切り枝の先に黄色の花を見ることは無かった。

 

 僕は金木犀の香りが大好きである。

品性に欠ける野蛮な輩は金木犀の香りをトイレの匂いだと言うが、

そんな輩は人間として持ちうるアプリオリな感性を、

精細胞の辺りで落としてきたのではないかと疑わしい。

本当にホモサピエンスなのか疑わしい。

霊長類であるかどうかも疑わしい。

しかしゆずと春菊の匂いは好きではない。

秋が来ればもう鍋の季節である。

キムチ鍋が食べたい。(家政学班宛)

 

 

 

 高校生の頃である。僕は毎日6時くらいに起きて、お弁当をこしらえていた。

お弁当の中身は、豚肉に塩胡椒を振って焼いて、目玉焼きを乗せたものである。

それを1年くらい続けた。毎日毎日、豚肉を焼き、目玉焼きを乗せる。

目玉焼きを作っては豚肉を炒め、豚肉を炒めては目玉焼きを乗せた。

僕はその弁当に大変満足していた。

が、ある日、母親が、弁当を作ってやる、と言う。

僕は自前の弁当が好きだったので断った。そういうやりとりを何回か続けた。

母は、僕が、親の苦労を減らす為に、

早起きして弁当をつくっているものだ、と思っているらしい。

更に、弁当の中身が貧相で、憐憫に思うらしかった。

僕の方は全くそんな気はなくて、ただおいしいお弁当を毎日つくっている、

くらいにしかおもっていなかった。

そんなこんなしているうちに、何日か経ち、

よほど哀れに思ったらしい母親が何を言うでもなく、

お弁当をつくっていた。それからは母親の弁当を提げて学校へ向かう様になった。

親の心子知らずであるが、子の心も親は知らないものである。

子供の頃の習い事の定番といえば、習字とか水泳とか音楽とか。

僕は習字も音楽も習った事はないけれど、

きっと習い事、ってなると面白くはないのかもしれない

音楽の話でいうと、高い事で有名なストラディヴァリウス。

なんでも、とある所でとある演奏家達がとある実験をしたそうな。

そこそこ、とはいっても一般庶民からすると高い200万くらいのバイオリンと

700万くらいのバイオリンと2億円のストラディバリウスの聞き比べをする実験である。

どれがどのバイオリンかは明示せずに、バイオリンA、B、Cの様にして、

一番良いと思った音色のバイオリンに投票する、という形式で何回か実験したところ、

一番票を獲得したのは700万くらいのバイオリンだったらしい。

ブランドの力というのは心理作用に大きく働くのだろうか。

それともバリウスのバリウスを聞き取れるバイオリニストが少ないのだろうか。

20万円相当の金を手で持つときも、値段を聞かされてから手に落とすと

なんだか重たく感じるものである。

ブランドとか、大衆の人気によってポジティブな評価を得る心理作用を、バンドワゴン効果と呼ぶ。

人気だからますます人気になるのだ。又、ブランドなんかはあらかじめ前情報としてポジティブなものが含まれている。

それによってポジティブな評価を得る心理作用を、、、忘れた。

顕著な情報により他の印象がかわってくる心理作用をハロー効果と呼ぶ。

バンドワゴン効果とはちがって、弱い、人気がない、のを応援したくなる心理作用はアンダードッグ効果である。

三つの点が顔に見えるのはシミュラクラ現象。

香りによって思い出がフっとよみがえるのはプルースト現象。

これは映画の名前がついているんですね。映画にでてくる人物の名前だったかもしれない。

映画からとられた名前といえば、ロリータコンプレックス、ロリコンというのは、そういう感じの映画にでてくる登場人物ロリータからです。精神病名でいえばペドフィリア。

ところで、壁に耳あり障子にメアリーのメアリーって何だろうね。くりきんとんのクリキンとかね。シー風ドドリアさんとかね。

海は何色か。たぶん青系。地面は土系で、全反射が起これば鏡とおんなじ。

鏡は何色か?鏡色なのかな。

色というのは、様々な光が集まってその色にみえているから、その色が、

赤と青と黄とがどれくらい混ざり合って云々いうのは感覚で分けねばらない。

つまりはフーリエ変換しなきゃならない。

音楽であっても、和音は(パラドックスを感じるけど)和音でひとつの音として聞こえてる。

波形でみれば重なり合っててひとつの音として聞こえてるに違いない。

だから、そのときに、何の音が鳴ってる?と聞くのは、

濃い緑色は赤青黄がどれくらいの割合?と聞くのとおんなじようなもんである。

いろんな音が鳴っているには違いないけど、音も光も、感じるときには、

重なり合った一つのものである。だからそれを分けたいときはフーリエ変換しなきゃならない。

光ならプリズムとかあるけど。音でも共鳴をつかえばいけるのかもしれない。

光といえば雨上がりなんかに見えるチンダル現象。

これは雨粒とか埃とかのコロイド(そこそこの小さな粒)に反射して光の筋が見える現象。

シュリーレン現象。濃度の違いによって光が屈折する現象。

水に砂糖とか塩とかが溶け始めるときに、ウニョウニョ見えるやつ。

こんな日はソーラン節でも踊りたくなるね。

 

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コメント: 9
  • #1

    十薬庵 (月曜日, 21 10月 2013 21:31)

    秋霜の 枯野にもなお 凛然と 咲く花はあり 野に出づるべし

  • #2

    hiroea (水曜日, 23 10月 2013 08:25)

    肌着を重ね 夏のゆり
    キムチ鍋や 食べたい候

  • #3

    toyama-daidogei (金曜日, 25 10月 2013 19:40)

     暫くの いとまを告げし 魚腥草 帰り来たれば 鍋振る舞わん

  • #4

    hiroea (日曜日, 27 10月 2013 02:25)

    懶の 手と足と胴に もたげた頭
    誰も筆の運びを 忘るるまま

  • #5

    十薬庵 (日曜日, 27 10月 2013 12:36)

    紫野 野守は既に 絶えたらし
    思うがままに 君よ袖振れ

  • #6

    hiroea (日曜日, 27 10月 2013 20:12)

    葛に湯治を背負わせば 寒き夜ぞふけにけれ

  • #7

    hiroea (日曜日, 27 10月 2013 22:30)

    鍋もがな 嗚呼鍋もがな 鍋もがな

  • #8

    sex telefon (火曜日, 31 10月 2017 23:52)

    pisarczyk

  • #9

    seks telefony (金曜日, 03 11月 2017 23:49)

    niedopracowujący