よのつね

 女心と秋の空、なんて諺がある。少し調べたところによると、これは元々男心と秋の空というのがあって、その男を女に転じさせたものだそうな。女性の気持ちは変わりやすい秋の空模様のように移り気だ、というこの諺。男が女に転ずる程だ。生粋の江戸前が一夜にして可憐な淑女へ変ずるとなれば、その移り気といったらもう相当なものである。こんな諺に比喩の対象として用いられるくらいなのだから、まあ、秋の空模様は変化が激しいというのは間違いないのだろう。納得である。

 さて、只今の季節は冬。ここで一寸今日の天気を記してみる。朝、雪。まあなんといっても冬である。雪くらいは降ろう。こ のくらいは当然の範疇だ。これが豹でも降るとなれば話は別で、街がパニックに襲われること必至である。さて、ここからだ。昼、晴れ。気持ちの良い快晴。 後、雪。曇り。経て雨。再び雪。そして今、雨。贔屓目に見ても、これは移り気が過ぎるというやつではないだろうか。秋の空どころではない。女心どころでも ない。まして男心なぞ引き合いに出すまでもない。

 この空の移ろい様はいったい何ぞのものの心意気によるものなのだろうか。もはや一言偏屈では到底済みそうにない。およそ人智の及びもつかないたいしたひねくれ者に違いない。 解せないことである。いやはや。まるで世の常。

 

小松菜